「水道の蛇口で水漏れしているけれど自分で直せないかな?」と考えたことがある人は多いのではないでしょうか。
水道の蛇口のパッキンは自分で交換可能です。つまり、一般的な工具や交換用パッキンを用意できれば、パッキンの劣化が原因の水漏れは自分で直せます。
そこでこの記事では、水漏れ修理のプロが「水道の蛇口のパッキン交換」について、交換方法や準備すべき物、そして注意点などを初心者にもわかりやすく解説します。
目次
水道の蛇口で水漏れする原因
水道の蛇口で水漏れする原因は主に以下のようなことが考えられます。
- パッキンの劣化
- ケレップ(コマパッキン)の劣化
- スピンドルの摩耗
- サビによる腐食
- ナットのゆるみ
上記のなかで最も多いとされているのが「パッキンの劣化」です。一般的な蛇口の構造は、本体部分とパイプ(吐水口)部分に分けられますが、これらのつなぎ目などにパッキンが使用されています。
具体的には、ハンドル部分の「三角パッキン」や「ケレップ(コマパッキン)」、そしてパイプ付け根の「Uパッキン」などがあります。
パッキンはプラスチックやゴム製であるため、経年劣化によって割れや変形が起こり、水漏れしてしまいます。
従って、蛇口で水漏れが起きている場合は、蛇口のどの部分で水漏れしているかを特定したうえで、水漏れ箇所に使用されているパッキンを交換することになります。
水道の蛇口のパッキンを自分で交換する際の流れ
水道の蛇口のパッキンを自分で交換する際は、以下のような流れを辿ります。
- 蛇口の種類を確認する
- 水漏れ箇所を特定する
- パッキン交換に必要な物を準備する
- 作業
それぞれのポイントを解説します。
蛇口の種類を確認する
パッキン交換は「蛇口の種類を確認する」ことから始まります。なぜなら、蛇口の種類によって必要な工具やパッキンの種類が異なり、作業内容が変わるためです。
一般家庭の水道蛇口は、以下3種類のいずれかに該当すると考えてよいでしょう。
- 単水栓:最もシンプルな1口蛇口で、洗濯機置き場や屋外に多い
- 2ハンドル混合水栓:水用とお湯用のハンドルがあり、キッチンや浴室に多い
- シングルレバー混合水栓:レバーを左右に動かして水かお湯を選択するタイプで、キッチンや洗面所に多い
水漏れ箇所を特定する
次に「水漏れ箇所を特定する」ことが大切です。水漏れ箇所を特定できれば、交換に必要なパッキンの種類やコストが分かるようになります。
例えば、単水栓の場合、ハンドル根元やパイプの付け根のパッキンが劣化して水漏れすることがほとんどです。
また、混合栓の場合は「クランク(壁からの配管と蛇口をつなぐ部分)」から水漏れしている可能性も考えられますので、水気を拭き取ったうえでどこから水漏れしているかを確認してみてください。
パッキン交換に必要な物を準備する
「パッキン交換に必要な物を準備する」は、作業に必要な工具や新しいパッキンの用意です。ほとんど場合、以下のような工具が必要になると考えてください。
- モンキーレンチまたは水栓レンチ(200ミリ~250ミリ)
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- 六角レンチ
上記に加えて、水漏れ箇所で使用されているパッキンと同型の物が必要です。
作業
必要な物が準備できたら、実際にパッキンを交換する「作業」に入ります。詳細は後述しますが、パッキン交換はこのような流れを辿ることを覚えておきましょう。
必要なパッキンや部品を調べる方法
水道蛇口のパッキン交換で最も重要と言えるのが「パッキンの準備」です。適切なパッキンを知るためには、以下を参考にしてください。
- 蛇口の型番や製品番号:蛇口本体のステッカー、説明書、刻印などを参照する
- 現物確認:蛇口を分解
蛇口の型番などが分かれば、適切なパッキンを簡単に入手できます。一方、長年使用した蛇口だと確認できないこともあるため、分からない時は現物をホームセンターなどに持ち込んで購入しましょう。
自分で交換する際、パッキンのサイズや種類を間違えて購入することはよくあるので、パッキン選びは慎重になってください。
パッキン交換を始める前に注意すべきこと
水道蛇口のパッキン交換に着手する前に、以下の注意点について理解しておいてください。
- 日常生活に支障が及ばないかを確認する
- 力任せにやらないこと
- 交換用パッキンが適切かどうか
- 止水栓または元栓を確認する
それぞれ解説します。
日常生活に支障が及ばないかを確認する
蛇口のパッキン交換を始める前に「日常生活に支障が及ばないかを確認する」ようにしてください。
これは、パッキン交換で不測の事態が起きることを想定したものです。とくに、パッキン交換が初めての人や、DIYなどに不慣れな人だと、破損や部品間違いなどが起こりやすく、しばらくの間、蛇口が使用できなくなる可能性がありますので、日常生活に支障がない状況下で実施するようにしてください。
力任せにやらないこと
「力任せにやらないこと」もパッキン交換における注意点です。例えば、老朽化やサビが原因で固着しているパイプやクランクを外そうとする際、力を入れないと外れないことがよくあります。
外れないからと言って、強引に力任せで外そうとすると、壁内部の配管が折れたり、壁が割れたりするかもしれません。
交換用パッキンが適切かどうか
パッキン交換を始める前に「交換用パッキンが適切かどうか」を確認しましょう。パッキンはサイズや形状が異なり、なおかつ似ている物が多いため、よく間違えてしまいます。
適切なパッキンでなければ、新品に交換しても水漏れは解消されません。作業を始めてからパッキンのサイズが違うことに気付くといったトラブルはよくあるので、パッキンを新調する際は、くれぐれも同型の物かを確認してください。
止水栓または元栓を確認する
「止水栓または元栓を確認する」ことも忘れないようにしましょう。止水栓は蛇口に繋がっている水道管の途中にあるハンドルまたはネジ式の栓で、止水栓の開閉によって蛇口への給水が制御できます。
パッキン交換の際は必ず止水栓を閉めるようにしてください。止水栓にアクセスできない場合は、元栓を閉めることでも対応可能ですが、すべての水が一時的に止まるので注意しましょう。
単水栓のパッキン交換法
単水栓の蛇口で水漏れが起きる箇所は「ハンドル部分」「パイプ根元」そして「パイプ先端」の3つです。
ハンドル部分のパッキン交換法
単水栓の蛇口でハンドル部分(ハンドルの付け根)で水漏れする場合は「三角パッキン」を新しい物に交換します。
「三角パッキン」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- 蛇口上部のハンドルビスを取り外す
- ハンドルを取り外す
- ナットを外し、三角パッキンを取り外す
- 新しい三角パッキンを取り付る
- ナット、ハンドル、ハンドルビスを元に戻す
パイプ根元のパッキン交換法
単水栓の蛇口でパイプ根元(蛇口本体とパイプの接合部)で水漏れする場合は「Uパッキン」を新しい物に交換します。(平パッキンの場合もある)
「Uパッキン」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- 蛇口本体とパイプを留めているナットを緩める
- パイプを外し、本体部分のUパッキンを交換する
- パイプを取り付けて、ナットを締める
ケレップ(コマパッキン)の交換法
単水栓の蛇口でパイプ先端で水漏れする場合は「ケレップ(コマパッキン)」を新しい物に交換します。
「ケレップ(コマパッキン)」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- 蛇口上部のハンドルビスを取り外す
- ハンドルを取り外す
- ナットを外し、棒状のスピンドルを反時計回りに捻って外す
- 蛇口本体に残っている古いケレップを取り出し、新しい物に交換する
- ナット、ハンドル、ハンドルビスを元に戻す
ハンドル混合水栓のパッキン交換法
ハンドル混合水栓の蛇口で水漏れが起きる箇所は「クランク」「ハンドル部分」「パイプ根元」そして「パイプ先端」の4つです。
クランクのパッキン交換法
2ハンドル混合水栓の蛇口でクランク(蛇口本体と水道管末端の接合部)で水漏れする場合は「平パッキン」を新しい物に交換します。
「平パッキン」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」を用意してください。クランクを外した際に残った水が漏れる可能性があるのでタオルも用意しておくと便利です。
- 止水栓を閉める
- クランクの左右にある2つのナットを均等に緩めて、クランクを外す
- 水道管末端に残っている古いパッキンを新しい物に交換する
- クランクを元に戻して、ナットを左右均等に締める
ハンドル部分のパッキン交換法
ハンドル混合水栓の蛇口でハンドル部分から水漏れする場合は「三角パッキン」を新しい物に交換します。
「三角パッキン」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」そして「ドライバー(プラスおよびマイナス)」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- ハンドル上部のキャップ(赤色および青色)をマイナスドライバーで外す
- プラスドライバーでハンドルの固定ネジを外し、ハンドルを引き抜く
- キャップナットを外し、三角パッキンを取り外す
- 新しい三角パッキンを取り付る
- キャップナット、ハンドル、ハンドルキャップを元に戻す
パイプ根元のパッキン交換法
ハンドル混合水栓の蛇口でパイプ根元から水漏れする場合は「Uパッキン」を新しい物に交換します。(平パッキンの場合もある)
「Uパッキン」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- レンチでパイプ根元のナットを緩める
- パイプを取り外す
- 蛇口本体またはパイプに付いているパッキンを交換する
- パイプとナットを元に戻す
ケレップ(コマパッキン)の交換法
ハンドル混合水栓の蛇口でパイプ先端から水漏れする場合は、水用蛇口とお湯用蛇口それぞれの「ケレップ(コマパッキン)」を新しい物に交換します。
「ケレップ(コマパッキン)2個」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- ハンドル上部のキャップ(赤色および青色)をマイナスドライバーで外す
- プラスドライバーでハンドルの固定ネジを外し、ハンドルを引き抜く
- 棒状のスピンドルをレンチで緩めてから反時計回りに捻って外す
- 蛇口本体に残っているケレップ(コマパッキン)を交換する
- スピンドル、ハンドル、ハンドルキャップを元に戻す
シングルレバー混合水栓のパッキン交換法
シングルレバー混合水栓で、本体根元から水漏れする場合は「Oリング(パッキン)」を新しい物に交換します。
「Oリング(パッキン)2個」と「モンキーレンチ(水栓レンチ)」「レンチ(蛇口本体固定用)」そして「六角レンチ」を用意してください。
- 止水栓を閉める
- 六角レンチ等でレバーハンドルの固定ネジを緩め、レバーハンドルを引き抜く
- 蛇口本体(最下部)をレンチで固定し、モンキーレンチで胴体上部を回すようにしてカートリッジ保護カバーを外す
- 露出した化粧アダプターから、スリップリング(上部と下部)、蛇口、Oリング(上部と下部)を外す
- Oリングを交換する
- スリップリング、蛇口、レバーハンドルを元に戻す
シングルレバー混合水栓のパッキン交換は、単水栓や2ハンドル混合水栓と比べて難易度が高いため、業者に依頼することをおすすめします。
パッキンを交換する時期の目安
水道蛇口のパッキンは、新品設置から「10年」を目安に交換することをおすすめします。パッキンはプラスチックやゴム製のため、使用頻度に関係なく必ず劣化すると考えてください。
パッキン交換の料金相場
水道蛇口のパッキン交換は、自分で直す場合は部品代や工具代だけですので、1,000円程度で済むでしょう。
一方、水漏れ修理業者に依頼すると、部品代に加え作業費もかかりますので、10,000円~が目安になると考えてください。
まとめ
水道蛇口のパッキンは自分で交換可能です。蛇口から水漏れする原因のほとんどはパッキンの劣化ですので、工具や交換用パッキンが手配できるのであれば自分で直すのも選択肢になるでしょう。
一方、昨今主流のシングルレバー混合水栓は難易度が高いとされています。自分での修理が難しいと思える場合は、無理せず水漏れ修理業者に依頼することをおすすめします。
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