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漏水発生で水道代が高額になったら減免制度を確認!条件と申請方法

漏水発生で水道代が高額になったら減免制度を確認!条件と申請方法

みなさんは「水漏れした時の水道代ってどれくらい上がるの?」や「水漏れで水道代が上がったけれど誰に支払い義務があるの?」といったことを考えたことはありませんか?

水漏れは、水道の蛇口やトイレといった場所で知らぬ間に起きることが多く、水道料金の明細を見て初めて気が付く人もいるため、余計な出費を防ぐためにも注意しなければいけません。

そこでこの記事では、水漏れ修理のプロが「水漏れの水道代」に関する、料金の目安や減免制度、そして対策などについて、初心者にもわかりやすく解説します。

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水漏れによる水道料金増加の目安

水漏れによってどれくらい水道料金が上昇するかを知るにあたり、基準として1リットルあたりの料金を理解しておくと分かりやすくなります。

厚生労働省(*1)によると、日本の水道料金は全国平均で1リットルあたり約0.2円とあります。これを参考にすると、2リットルのペットボトル1本分の水漏れで約0.4円、一般的なお風呂1杯分(200L)の水漏れだと約40円となります。

1秒間に1滴ほどのペースでぽたぽたと水漏れするとした場合、1日に約30リットル、1ヶ月に約900リットルの水を使用することになると言われているため、水道料金は1ヶ月で180円程度増加する計算です。

また、蛇口の吐水口から糸のような状態で水漏れが続くと、1日で300リットル(約60円)、1ヶ月で9,000リットルですから、約1,800円の上昇となります。

仮に、同様の水漏れがキッチンやトイレなど複数の箇所で同時に起きている場合や、水漏れのペースが早い場合は、単純に倍化するようにして上昇します。

蛇口からぽたぽたと水漏れする程度であれば許容範囲と捉える人もいるかもしれませんが、水漏れ箇所の数や、水漏れの量によっては大きな負担になる可能性があることを認識しておきましょう。

ちなみに、兵庫県下の姫路市(*2)の水道料金は0.14円/L、そして神戸市(*3)は0.12円/Lとされています。

(*1)出典:厚生労働省(2023),いま知りたい水道-日本の水道を考える-,P.3

(*2)出典:姫路市役所(2023),ひめじ上下水道だより,P.2

(*3)出典:神戸市水道局(2023),水道料金の特徴

水漏れ時の水道料金を支払う責任

水漏れによって水道料金が増加した場合、支払い義務は原則として水道を使用している者にあります。

戸建て住宅であれば水道を契約している名義人である家主、賃貸住宅などは対象となる部屋を契約している借主がその責任を負うことになります。

これは「水道の管理範囲」と呼ばれる基準に基づいています。水道の管理範囲は、基本的に「量水器(水道メーター)を基準にして配水管側(地中の水道本管側)か給水管側(住宅側)」で、その責任が分かれる仕組みです。

給水管や止水栓、さらには蛇口といった物をまとめて「給水装置」と呼び、給水装置は所有者(使用者)の個人財産とみなされます。

つまり、蛇口などから水漏れする場合は「量水器(水道メーター)よりも給水管側にある個人の持ち物」で発生しているため、戸建て住宅や賃貸住宅を問わず使用者の責任となる訳です。

なお、マンションやアパートといった賃貸の集合住宅における水道の管理範囲は「蛇口」が起点とされることが一般的です。

例えば、賃貸住宅において、室内の蛇口などからの水漏れによって水道代が増加した場合は借主の責任となる一方、壁や床といった内部に設置してある給水管からの水漏れは貸主(建物のオーナー)の責任として扱われることがほとんどです。(賃貸契約の内容によって異なることに注意)

このように、水道の管理範囲という責任の基準がありますが、蛇口などで水漏れして水道料金が増加した際の支払い義務は、使用者の責任になると覚えておきましょう。

参考:加西市(2020),水道の施設・水質の管理範囲

漏水による水道料金の減免制度とは

水漏れによって水道代が増加した際、要件を満たすことで水道料金が減額される制度があり、これを「漏水による水道料金減免制度」と言います。

漏水による水道料金の減免制度は、お住まいの自治体によって異なりますので、以下の情報を参考にし、各自治体の規定を確認してください。

適用条件

漏水による水道料金の減免制度の適用条件は概ね以下のような場合に限られます。

  • 使用者に過失が認められない場合
  • 地下埋設管や床下配水管等、使用者または管理者が日常的に点検できない箇所の漏水
  • 災害や事故等による不測の事態による漏水

参考:神戸市水道局(2023),漏水に係る料金の減免基準に関する要綱

適用が認められないケース

漏水による水道料金の減免制度は、以下のようなケースでは適用されません。

  • 使用者の不注意による漏水(蛇口の締め忘れ等)
  • 水漏れ修理を怠った
  • 水道局の修繕依頼に対応しなかった
  • DIYや自己修理が原因となる漏水
  • 過去の水道料金または使用量と差がない
  • 適用期間を経過した

適用期間

漏水による水道料金の減免制度は、原則として「1期分(2か月分)」のみが対象です。ただし、漏水箇所の発見が困難であった場合や、修繕が困難であること、さらに工事の遅延といったやむを得ない事情がある場合に限り、最長で2期分(4ヶ月分)の減免が受けられます。

申請方法

漏水による水道料金の減免制度を申請する場合は以下の流れを辿ります。

  1. 漏水箇所や症状の確認(管理区分を明確にする)
  2. 自治体の水道局に連絡
  3. 漏水箇所の修繕を手配
  4. 修繕工事
  5. 水道料金等減免申請書兼修繕工事施工証明書(*4)の提出
  6. 受理および減額手続き

(*4)参考:水道料金等減免申請書兼修繕工事施工証明書,神戸市水道局

注意点

漏水による水道料金の減免制度については、以下のことに注意してください。

  • 蛇口の締め忘れ、パッキンの劣化、設備故障による漏水は対象外
  • 自治体によって制度の有無や内容が異なる
  • 漏水の修繕工事業者は自治体が指定することがある
  • 水道料金の明細や、水漏れ修理工事の領収書等が必要
  • 全額免除ではない(神戸市は計量水量で算出した料金の1/2)
  • 返金ではなく、次回以降の請求額から減額

水漏れで水道代が上がることを防ぐ方法

水漏れによって水道料金が上がってしまうことを防ぐ方法として、以下を参考にしてください。

  • 水道メーターの確認
  • 水漏れしやすい箇所の点検
  • 水道料金の明細を確認する

上記について解説します。

水道メーターの確認

水漏れによる水道料金の上昇を防ぐには「水道メーターの確認」がおすすめです。この確認方法は西宮市上下水道局でも紹介(*5)されています。

具体的には、すべての蛇口を閉めたうえで水道メーターの「パイロット」と呼ばれる部分を確認します。パイロットは水道メーター上にある銀色の平型ボタンのような形状で、水が使われている間にクルクルと回る仕組みです。

蛇口を閉めている(水を使っていない)にもかかわらず、パイロットが作動しているようであれば、漏水が疑われます。

(*5)出典:西宮市上下水道局(2016),水道メーターの読み方

水漏れしやすい箇所の点検

漏水による水道料金の上昇を防ぐには「水漏れしやすい箇所の点検」も有効です。一般的な住居においては、主に以下のような箇所で水漏れが起こりやすいため、重点的に点検してみてください。

  • トイレ:止水栓、給排水管、タンク、便器、温水洗浄便座(洗浄ノズル)
  • キッチン:蛇口、給湯器
  • お風呂場:蛇口、シャワーヘッド
  • 洗面所:蛇口、洗濯機の給水用蛇口
  • その他:蛇口がある箇所全般

水漏れ点検の際は、はじめに対象箇所の水気を拭き取るようにしましょう。水気を拭き取った後、しばらく時間を置いて水が付着しているようであれば水漏れが特定できます。

蛇口であれば吐水口の先端からぽたぽたと水漏れするため視認しやすいですが、パッキンの劣化が原因の水漏れは、水が滲み出るようにして漏れるため、気が付きにくいでしょう。

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水道料金の明細を確認する

水漏れによって水道代が上がってしまうことを防ぐには「水道料金の明細を確認する」ことも大切です。

水道料金は2ヶ月に1回の検針および請求であるため、多忙な人や自動引き落とし等を利用している人ほど確認がおろそかになりがちです。

明細の確認を習慣化し、水の使用量や料金の変化に注意を払うようにしましょう。

水漏れが発覚した場合にすべきこと

水漏れが発覚した場合、以下の対応を心がけてください。

  • 水漏れ箇所を特定する
  • 応急処置
  • 業者に修理を依頼する

それぞれ解説します。

水漏れ箇所を特定する

水漏れが発覚したら「水漏れ箇所を特定する」ことが大切です。例えば、トイレで水漏れする場合は「どの箇所」かが分かれば、概ね原因を特定できます。

また、キッチンなどの蛇口から水漏れする場合も同様に、蛇口の「どの部分」で水漏れしているかが特定できれば、自ずと原因が絞り込めます。

自分で直す場合、あるいは業者に修理を依頼する場合いずれであっても、水漏れ箇所の特定は最も基本的な対応と言えます。

応急処置

「応急処置」は水漏れが発覚した際に、できるだけ早く対応すべきことです。具体的には、止水栓や元栓を閉める、ナットの緩みを締める、さらには水漏れ箇所にテープを巻くといったことが含まれます。

水漏れの勢いが激しい場合は水道料金が上昇してしまうかもしれませんので、応急的に止水栓や元栓を閉めるのがおすすめです。

業者に修理を依頼する

水漏れが発覚した「業者に修理を依頼する」ようにしましょう。とりわけ、水漏れの勢いが激しい場合や、自分では直せないような時は、できるだけ早めに対応してください。

業者に修理を依頼する際は、修理費用だけで判断するのではなく、その業者が「水道指定業者(水道局指定給水装置工事事業者)」かどうかも基準にしましょう。

水道指定業者とは、自治体の水道局から水道工事を許可された業者のことで、給水装置工事主任技術者という国家資格を保有する者による工事が約束されるため安心です。

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まとめ

水漏れ時の水道代は、一般的な住宅であれば水漏れの程度によって毎月数百円から数千円上昇する可能性があります。

水漏れによって水道料金が増えた際は、減免制度があるものの、基本的には使用者の責任になるので、水漏れを予防すること、そして放置しないことが大切と覚えておきましょう。

自分で直せない、水漏れ箇所が特定できないといった際は、速やかに水漏れ修理業者に依頼するようにしてください。

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