一般的な家庭内で水漏れしやすいとされているひとつが「キッチンの蛇口」です。キッチンの蛇口は、そもそもの使用頻度が高いことに加え、冷水と温水の両方を頻繁に使用するため、部品の摩耗が進行しやすいと言われています。
キッチンの蛇口で水漏れすると、日常生活に支障が生じやすいため、水漏れの原因と修理方法を理解しておくことで、万が一の時でもスムーズな復旧が可能になります。
そこでこの記事では、水漏れ修理のプロが初心者に向けて「キッチンの蛇口の水漏れ」について、原因や対処法、そして修理にかかる費用などを分かりやすく解説します。
目次
知っておきたいキッチンの蛇口の種類
キッチンの蛇口で水漏れする場合、対象となる蛇口の種類によって、原因や修理にかかる費用が変わりますので、あらかじめ以下3つの蛇口の種類を理解しておく必要があります。
- 単水栓
- 2ハンドル混合水栓
- シングルレバー混合水栓
上記について解説します。
単水栓
「単水栓」とは、蛇口の種類の中で最もシンプルなものです。昨今のキッチンで設置されていることは稀かもしれませんが、古い家屋ではまだまだ使われていることが多いでしょう。
単水栓はハンドル式の蛇口で、基本的には水しか出ません。洗濯機置き場や屋外用水栓に用いられることが一般的で、単純な構造であることから、修理にかかる費用は低いと言えます。
2ハンドル混合水栓
キッチンの蛇口の種類には「2ハンドル混合水栓」もあります。これは、冷水と温水それぞれのハンドルが付いているもので、キッチンやお風呂場など、お湯を使う機会が多い場所に設置されています。
単水栓よりも部品数が多く、複雑な構造と言えますが、基本的な構造は同じで、修理にかかる手間や費用の負担は軽いとされています。
シングルレバー混合水栓
「シングルレバー混合水栓」は、昨今のキッチンで主流の蛇口です。ひとつのレバーハンドルで冷水と温水の水量および温度を調整できることが特徴で、システムキッチンではほぼ例外なくこのタイプの蛇口が採用されています。
単水栓や2ハンドル混合水栓と比べて、構造が異なるだけでなく、使用されている部品も違うため、修理費用は高くなりがちです。
キッチンの蛇口で水漏れする原因
キッチンの蛇口で水漏れする原因は、以下のようなことが考えられます。これらの原因を理解しておくことで、修理に向けた対応が円滑になりますので、よく覚えておきましょう。
- パッキンの劣化
- ナットの緩み
- バルブカートリッジの不具合
それぞれの原因について解説します。
パッキンの劣化
キッチンの蛇口で水漏れする原因として最も考えられるのが「パッキンの劣化」です。パッキンは、蛇口を構成する様々な部品同士の密着度を高めることを目的にした部品で、ゴムまたはプラスチックでできています。
パッキンは、蛇口の水が通る要所に使用されていることに加え、製品寿命が10年であること、さらには使用に伴って変形が起こりやすい性質です。
蛇口に使われているパッキンが、劣化または損傷することで生じた隙間から水漏れする仕組みです。
ナットの緩み
「ナットの緩み」もキッチンの蛇口で水漏れする原因です。例えば、単水栓や2ハンドル混合水栓では「スパウト」と呼ばれる水が出る部品の付け根にナットが使用されています。
また、蛇口が壁に取り付けられている場合は、水栓と壁の間にナットが使われています。これらのナットが緩むと隙間が生じて、水が漏れる仕組みです。
シングルレバー混合水栓もシンクに固定する際にナットを使うため、ナットが緩むことで水漏れする可能性があります。
バルブカートリッジの不具合
キッチンの蛇口で水漏れする原因には「バルブカートリッジの不具合」もあります。これは、シングルレバー混合水栓に限定される原因です。
シングルレバー混合水栓は、水栓内部にバルブカートリッジが使われています。バルブカートリッジは、水量や水温を調整するための部品で、パッキンをはじめとする消耗品によって構成されています。
シングルレバー混合水栓で水漏れする場合、高い確率でバルブカートリッジが原因となるため、バルブカートリッジを交換することで解決されるでしょう。
キッチンの蛇口の水漏れ修理にかかる費用相場
キッチンの蛇口で水漏れする場合、その修理費用は以下を目安にしてください。
- 軽微な調整作業（緩み解消など）：5,000円～10,000円
- パッキン交換：5,000円～10,000円
- 水栓まわり部品交換：5,000円～10,000円
- バルブカートリッジ交換：10,000円～20,000円
- 蛇口交換（単水栓交換）：10,000円～20,000円
- 混合水栓交換：15,000円～20,000円
このように、緩み解消やパッキン交換といった軽微な作業であれば、10,000円未満で収まることが多い一方で、蛇口やバルブカートリッジを交換する場合は、部品代そのものが高くついてしまうため、20,000円はかかると考えてください。
とくに、昨今キッチンの蛇口として主流になっているシングルレバー混合水栓は、必然的に修理費用が高くなる傾向があります。
修理費用を安く抑えるためのコツ
水漏れ修理にかかる費用は、以下のコツを意識することで安く抑えられる可能性があります。
- 地元の業者を利用する
- 相見積もりをとる
- 指定給水装置工事事業者か確認する
上記のコツについて解説します。
地元の業者を利用する
修理費用を安く抑えるには「地元の業者を利用する」のがおすすめです。この理由は、出張費や交通費がかかりにくいためで、地元の業者ほどコストが抑えられると言えます。
また、緊急を要する場合であっても、地元の業者であれば、すぐに駆けつけてもらいやすい利点もあります。
相見積もりをとる
「相見積もりをとる」ことも修理費用を安く抑えるコツのひとつです。具体的には、最低でも地元の3～5社から同じ条件で修理費用を見積もってもらってください。
相見積もりをとることで、修理にかかる最低料金や適正価格を把握しやすくなります。なお、見積もり無料の業者かを確認したうえで依頼することを忘れないでください
指定給水装置工事事業者か確認する
修理費用を安く抑えるコツとして「指定給水装置工事事業者か確認する」ことも覚えておきましょう。
指定給水装置工事事業者とは、蛇口を含む給水装置などを、政令で規定された基準で工事できると自治体に指定された業者です。
必須条件ではないものの、ぼったくりを働きにくい業者という意味では参考にすべきでしょう。
キッチンの蛇口で水漏れが起こりやすいケース
キッチンの蛇口は、以下のようなケースに該当すると水漏れしやすくなることを知っておいてください。
- 設置してから10年を超えている
- 使用頻度が高い
- 賃貸住宅
それぞれのケースについて解説します。
設置してから10年を超えている
「設置してから10年を超えている」蛇口は水漏れする可能性があります。なぜなら、蛇口に使用されているパッキンやスピンドル、コマ（ケレップ）といった部品の製品寿命が10年とされているためです。
蛇口を設置してから10年経過した、あるいは10年を超えていると考えられる場合は、いつ水漏れが起きても不思議ではありません。
使用頻度が高い
キッチンの蛇口で水漏れしやすいケースには「使用頻度が高い」ことも挙げられます。例えば、キッチンが洗面台の役割も兼ねている家庭や、家族が頻繁にキッチンを使用するケースなどが該当します。
いかなる種類の蛇口も、消耗品の集合体であることを忘れないようにしましょう。使用頻度が高ければ、その分、部品の劣化も進みます。
賃貸住宅
「賃貸住宅」も水漏れしやすいケースに該当すると考えましょう。理由は、前入居者の使用頻度や使い方が把握できないためで、想定以上に蛇口の部品が摩耗していたり、損傷していたりする可能性が否定できません。
また、賃貸住宅で蛇口の修理履歴が残されていない、あるいは居住者が修理履歴を把握できない場合は、ある日突然水漏れに直面するかもしれません。
キッチンの蛇口で水漏れした場合の対処法
キッチンの蛇口で水漏れしたら、以下の対処を心がけてください。
- 止水栓または元栓を閉める
- 水漏れしている箇所と原因を特定する
- 部品交換または修理を依頼する
上記について解説します。
止水栓または元栓を閉める
キッチンの蛇口で水漏れする場合は、応急処置として「止水栓または元栓を閉める」ようにしましょう。
とくに水漏れが激しい場合は、止水栓または元栓を閉めることで、一時的に水の供給が止まるため有用です。
蛇口からぽたぽたと水漏れするようなケースであっても、まずは止水栓または元栓を閉めるようにしましょう。
水漏れしている箇所と原因を特定する
「水漏れしている箇所と原因を特定する」ことも大切です。キッチンの蛇口に限らず、水漏れは「どこで」「なぜ」起きているのかを特定することが欠かせません。
蛇口のどの部分から、なぜ水漏れしているのかを分かる範囲で特定しましょう。一般的に、蛇口からぽたぽたと水漏れする場合は、部品の接合部において隙間が生じることが原因と考えられます。
部品交換または修理を依頼する
水漏れした際には「部品交換または修理を依頼する」対処も必要です。例えば、DIY経験者であれば、パッキンやナットといった部品交換なら自分で対処できるかもしれません。
一方、女性や高齢者であれば業者に修理を依頼した方が無難でしょう。いずれにしても、水漏れを放置していても直りませんので、早めに修理に向けた対処をとってください。
まとめ
キッチンの蛇口で水漏れする場合、水漏れ箇所と原因を特定することが大切です。その多くは、パッキンの劣化やナットの緩みが原因ではあるものの、自分では対処できないケースも想定されます。
その際には、水漏れ修理業者に修理を依頼しましょう。業者を選ぶ際には、地元の業者から相見積もりをとり、信頼できる業者を選定してください。
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