
「蛇口からポタポタ水が漏れる……」
「ハンドルの動きが悪い……」
「デザインが古くなってきた……」
毎日使う場所だからこそ、水道の蛇口に関する悩みは尽きないものですよね。
いざ水道蛇口を交換しようと考えたとき、専門業者に依頼するほかに「自分で交換ってできないかな?」とDIYを検討する方も多いのではないでしょうか。費用を抑えられ、自分の好きなデザインの蛇口を選べるDIYでの蛇口交換は、とても魅力的に見えます。
しかし、水道の配管を扱う作業は、一歩間違えると水漏れなどの大きなトラブルにつながる可能性も。十分な知識と準備なしに始めてしまうのは大変危険です。
この記事では、「水道の蛇口交換を自分でやってみたい」と考えている方に向けて、作業を始める前に知っておくべき基本知識から、浴室・キッチン・洗面台それぞれの場所に応じた交換手順、そしてDIYに潜むリスクまで、プロの目線で徹底的に解説します。
目次
水道蛇口の交換は自分でDIYできる?
毎日使う水道の蛇口。長年使っていると、水漏れやハンドルの劣化、デザインの古さが気になってくることもあるでしょう。「水道の蛇口交換を自分でやってみたい」「DIYで費用を抑えたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、水道の蛇口交換は自分でDIYすることが可能です。しかし、そのためにはいくつかの条件があり、誰でも簡単にできる作業というわけではありません。この章では、蛇口交換を自分で行う際の基本的な考え方について解説します。
DIYは可能だが専門知識と工具が必要
蛇口交換を自分で行うには、水道の構造に関する基本的な知識と、作業に適した専用の工具が不可欠です。蛇口には様々な種類があり、それぞれ構造や交換手順が異なります。自宅の蛇口がどのタイプなのかを正確に把握し、正しい手順で作業を進める知識が求められるのです。
また、交換作業にはモンキーレンチやウォーターポンププライヤー、シールテープといった道具が必要になります。これらの工具をすでに持っている場合は問題ありませんが、持っていない場合は新たに購入する必要があるため、工具代も考慮しなければなりません。
失敗による水漏れのリスクも考慮する
DIYで最も怖いのが、作業の失敗による水漏れです。蛇口の接続が甘かったり、パッキンを正しく装着できていなかったりすると、作業直後や数日経ってから水が漏れ出してくる可能性があります。
床下や階下へ水が漏れてしまうと、床材の張り替えや建物の修復が必要となり、結果的に高額な修理費用が発生する大惨事になりかねません。DIYで費用を節約するつもりが、かえって大きな出費につながるリスクがあることを十分に理解しておく必要があります。
自信がない場合はプロへの依頼が最も安全
「少しでも不安がある」「手順を読んでもよくわからない」と感じた場合は、無理に自分で作業せず、プロの水道修理業者に依頼するのが最も賢明な判断です。
プロの業者は、豊富な知識と経験、そして専用の道具を駆使して、迅速かつ確実に蛇口を交換してくれます。作業後の保証が付いている業者も多く、万が一のトラブルにも対応してもらえるため安心です。DIYに挑戦する前に、まずは自分のスキルや知識レベルを客観的に判断し、少しでも難しいと感じたら迷わず専門家を頼りましょう。
なお、水道の蛇口交換の依頼先や費用感などについては、以下の記事をご覧ください。
水道蛇口は大きく分けると4種類
蛇口交換を始める前に、まずは自宅の蛇口がどの種類に該当するのかを確認する必要があります。蛇口は大きく分けて4つの種類に分類されます。それぞれの特徴を理解し、交換用の新しい蛇口を間違えずに選びましょう。
種類1:単水栓
単水栓は、水またはお湯のどちらか一方だけを出すことができる、最もシンプルな構造の蛇口です。ハンドルをひねるだけで吐水・止水ができ、公園の水道や昔ながらの家の台所、洗濯機用の蛇口などによく見られます。構造が単純なため、比較的交換作業も容易なタイプと言えるでしょう。
種類2:壁付混合水栓
壁付混合水栓は、その名の通り壁に取り付けられた給水管(お湯と水)に接続されている蛇口です。浴室の洗い場や、一部の古いタイプのキッチンでよく使用されています。本体の左右にクランク(偏心管)と呼ばれる脚のような部品があり、このクランクで給水管との位置を調整するのが特徴です。交換作業では、このクランクの調整が重要なポイントとなります。
種類3:台付ワンホール混合水栓
台付ワンホール混合水栓は、キッチンや洗面台の天板(カウンター)に開けられた一つの穴に取り付けられるタイプの蛇口です。近年、最も主流となっているタイプで、デザイン性も高く、レバーハンドルで水量と温度を片手で調節できるものがほとんどです。シンク下(洗面台下)で給水・給湯ホースを接続する作業が必要になります。
種類4:台付ツーホール混合水栓
台付ツーホール混合水栓は、天板に二つの穴が開いており、それぞれに水とお湯の配管が接続されているタイプの蛇口です。お湯と水のハンドルが別々になっているタイプや、一つのレバーで操作するタイプなどがあります。取り付け穴の間の距離(ピッチ)が決まっているため、新しい蛇口を購入する際は、既存の穴のピッチを正確に測定する必要があります。
【浴室】水道蛇口の交換を自分でDIYする手順
ここからは、場所別に具体的な蛇口交換の手順を解説していきます。まずは、浴室で最も一般的な「壁付混合水栓」の交換手順です。
交換前に必要な道具と準備
作業をスムーズに進めるため、事前に以下の道具を準備しておきましょう。
- 新しい壁付混合水栓
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤー
- シールテープ
- 歯ブラシ、雑巾
- マイナスドライバー(止水栓の開閉用)
【STEP1】止水栓と元栓を確実に閉める
作業中に水が噴き出すのを防ぐため、必ず止水栓と水道の元栓を閉めます。止水栓は、壁から出ているクランク(脚部)の側面にマイナスドライバーで回せる溝がある部分です。時計回りに回らなくなるまでしっかりと閉めてください。念のため、家全体の水道を止める「元栓」も閉めておくとさらに安心です。元栓は、通常、屋外の水道メーターボックス内にあります。閉め終わったら、蛇口のハンドルを開けて水が出ないことを確認しましょう。
【STEP2】古い蛇口本体を取り外す
次に、古い蛇口本体を取り外します。壁の給水管に接続されている左右のクランクと、蛇口本体を繋いでいるナットを、モンキーレンチやウォーターポンププライヤーを使って反時計回りに回して緩めます。左右のナットを交互に少しずつ緩めていくのがポイントです。ナットが外れると、蛇口本体を取り外すことができます。
【STEP3】配管の掃除とシールテープの巻き付け
蛇口本体を取り外したら、古いクランクもプライヤーで反時計回りに回して取り外します。取り外した後の壁側の給水管の内部に、古いシールテープの残りやサビが溜まっていることがあるため、歯ブラシなどを使ってきれいに掃除してください。掃除が終わったら、新しいクランクのネジ山にシールテープを時計回りに7〜8回ほど巻き付けます。
【STEP4】新しい蛇口を水平に取り付ける
シールテープを巻いた新しいクランクを、壁の給水管に手で時計回りにねじ込んでいきます。固くなったら、プライヤーを使って締め込みますが、締めすぎに注意してください。左右のクランクを、新しい蛇口本体の取り付け幅に合わせて、水平になるように調整しながら取り付けます。クランクの取り付けが完了したら、新しい蛇口本体を設置し、接続ナットをしっかりと締め付けます。
【STEP5】止水栓を開けて水漏れを確認
最後に、閉めておいた元栓と止水栓をゆっくりと開けます。接続部分から水が漏れてこないか、タオルなどで触って入念に確認しましょう。水漏れがなければ、シャワーとカラン(吐水口)を切り替えてみて、正常に動作するかをチェックします。問題がなければ、浴室の蛇口交換は完了です。
【キッチン】水道蛇口の交換を自分でDIYする手順
続いて、キッチンで主流の「台付ワンホール混合水栓」の交換手順です。シンク下での作業が中心となるため、懐中電灯やヘッドライトがあると便利です。
交換前に必要な道具と準備
- 新しい台付ワンホール混合水栓
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤーまたは専用工具(立水栓締め付け工具)
- プラスドライバー、マイナスドライバー
- 雑巾、バケツ
- 懐中電灯
【STEP1】シンク下の止水栓を閉める
キッチンの場合、通常はシンク下に給水管と給湯管の止水栓があります。ハンドル式またはマイナスドライバーで回すタイプが一般的です。両方の止水栓を時計回りに回して、しっかりと閉めてください。閉め終わったら、蛇口のレバーを操作して水とお湯が出ないことを確認します。
【STEP2】給水給湯ホースと古い蛇口を取り外す
止水栓と蛇口本体を繋いでいる給水ホース・給湯ホースのナットを、モンキーレンチで緩めて取り外します。ホース内に残った水が出てくることがあるので、下にバケツや雑巾を置いておきましょう。次に、シンクの裏側で蛇口本体を固定しているナットを緩めます。このナットは狭い場所にあるため、専用の立水栓締め付け工具があると非常に便利です。ナットが外れると、蛇口本体を上から引き抜くことができます。
【STEP3】取り付け穴をきれいに掃除する
古い蛇口を取り外すと、取り付け穴の周りに水垢や汚れが固着しています。この汚れを残したままだと、新しい蛇口を設置した際にガタつきや水漏れの原因になるため、雑巾や洗剤できれいに拭き取ってください。
【STEP4】新しい蛇口を取り付けてホースを接続する
新しい蛇口を、清掃した取り付け穴に上から差し込みます。シンク下から、説明書の指示通りにパッキンやワッシャーをはめ、固定ナットを締め付けて本体を固定します。この時、蛇口の向きがずれないように、誰かに上から押さえてもらうと作業しやすいでしょう。本体が固定できたら、給水ホースと給湯ホースを止水栓に接続します。接続を間違えないように注意してください。
【STEP5】止水栓を開けて動作と水漏れを確認
ホースの接続が完了したら、止水栓をゆっくりと反時計回りに開けます。ホースの接続部分や、蛇口の根元から水が漏れていないか、丁寧に確認します。水漏れがなければ、蛇口のレバーを操作して、水とお湯が正常に出るか、水量や温度の調節がスムーズにできるかを確認します。すべての動作に問題がなければ、作業完了です。
【洗面台】水道蛇口の交換を自分でDIYする手順
最後に、洗面台の蛇口交換の手順です。基本的な流れはキッチンと似ていますが、作業スペースがより狭い場合が多いため、慎重に作業を進めましょう。
交換前に必要な道具と準備
- 新しい洗面台用混合水栓
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤーまたは専用工具
- 雑巾、バケツ
【STEP1】洗面台下の止水栓を閉める
洗面台の下の収納スペースにある、給水・給湯管の止水栓を時計回りに回して閉めます。水とお湯の両方の止水栓を確実に閉めて、蛇口から水が出ないことを確認してください。
【STEP2】古い蛇口本体と給水管を取り外す
止水栓と蛇口を繋ぐ給水管のナットをモンキーレンチで緩め、取り外します。次に、排水管(ポップアップ式の場合)に繋がっているロッドなどを外してから、蛇口本体を裏側で固定しているナットを緩めます。キッチン同様、専用工具があると作業が楽になります。ナットが外れれば、蛇口本体を上に引き抜くことができます。
【STEP3】取り付け面をきれいに掃除する
古い蛇口を撤去した後の取り付け面は、水垢などで汚れていることが多いです。新しい蛇口をしっかりと固定し、水漏れを防ぐためにも、この段階で取り付け面をきれいに掃除しておきましょう。
【STEP4】新しい蛇口を設置して給水管を接続する
掃除した取り付け穴に、新しい蛇口を説明書に従って差し込み、裏側からナットで固定します。ガタつかないように、しっかりと締め付けましょう。本体が固定できたら、新しい給水管を止水栓と蛇口本体に接続します。
【STEP5】止水栓を開けて水漏れがないか確認
すべての接続が終わったら、止水栓をゆっくりと開けます。接続部から水が漏れていないか、指や乾いた布で触って確認します。問題がなければ、ハンドルを操作して水やお湯が出るか、排水は正常に行われるかなどをチェックします。異常がなければ、洗面台の蛇口交換は完了です。
水道蛇口の交換を自分でDIYするリスク
DIYによる蛇口交換には、費用を抑えられるというメリットがある一方で、いくつかのリスクも伴います。挑戦する前に、以下の点を十分に理解しておきましょう。
接続不良や部品の締めすぎによる水漏れ
最も多い失敗例が、水漏れです。ナットの締め付けが緩いと接続部から水が漏れ、逆に締めすぎるとパッキンが破損してしまい、やはり水漏れの原因となります。適切な力加減(トルク)で締め付ける必要があり、これには経験が求められます。
既存の配管や部品を破損させてしまう
長年使用された水道管は、サビなどで劣化している場合があります。古い蛇口を無理な力で取り外そうとすると、壁の中の配管やシンク下の止水栓などを破損させてしまう危険性があります。配管自体が破損すると、修理が非常に大掛かりになり、高額な費用がかかってしまいます。
購入した蛇口のサイズや規格が合わない
「新しい蛇口を買ってきたのに、サイズが合わなくて取り付けられなかった」というケースも少なくありません。蛇口の種類、取り付け穴の数や直径、配管のピッチ(間隔)などを事前に正確に測定しておかないと、時間も費用も無駄になってしまいます。
作業に慣れず怪我をしてしまう危険性
シンク下などの狭く暗い場所で、慣れない工具を使って作業をすると、思わぬ怪我をしてしまう可能性があります。特に、固着したナットを回す際に力を入れすぎて、手や頭をぶつけてしまうといった危険が伴います。
水道蛇口の交換なら水道テックへ
水道の蛇口交換は自分で行うことも可能ですが、この記事で見てきたように、多くの知識と技術、そしてリスクへの備えが必要です。少しでも作業に不安を感じたり、失敗して水漏れなどの大きなトラブルに発展させたくないと考えたりするなら、プロの水道業者に任せるのが最も確実で安心な方法です。
もし兵庫県内で水道蛇口の交換依頼を検討しているなら、「水道テック」にお任せください。
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「基本料金2,000円(税抜)+技術料+材料費」というわかりやすい料金体系を採用しており、必要以上に高額な請求をされる心配がありません。他社との相見積もりも喜んで対応しているため、納得の上で依頼できます。 - ベテランスタッフによる迅速な作業
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「蛇口本体だけを交換するべきか」「配管を一部交換したほうがいいのか」など、状況に応じた柔軟なご提案が可能です。お客様目線で最適な方法をわかりやすく提示し、納得できるまで丁寧にご説明させていただきます。 - 出張費・お見積り無料
「ちょっと見てもらいたい」「本当に交換が必要かどうかをまず知りたい」という問い合わせに対しても、出張費やお見積り代が無料なので、お気軽にご相談いただけます。
また「水道テック」では、蛇口交換だけでなく、水漏れトラブルや排水管まわりの修理・交換にも対応しているため、水回りのお困りごとをまるごとお引き受けすることが可能です。兵庫県での水道修理や蛇口交換を検討される方は、ぜひ一度「水道テック」までご相談ください。
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