昨今の主流である「システムキッチン」は、機能性やデザインに長けているため、リフォームなどをきっかけにして導入する家庭が増えています。

一方、システムキッチンであったとしても水漏れする可能性は否定できません。むしろ、水漏れしやすい箇所が多く、なおかつ修理費用もかかりやすいと言われているため、これらの点をよく理解しておくことが求められます。

そこでこの記事では「システムキッチンの水漏れ修理にかかる費用」を中心に、システムキッチンで水漏れしやすい箇所や原因について、水漏れ修理のプロが初心者にもわかりやすく解説します。

システムキッチンの水漏れ修理にかかる費用相場

システムキッチンの水漏れ修理にかかる費用相場は以下を参考にしてください。

自分で修理する場合

自分で修理する場合は概ね以下の費用が平均的です。なお、システムキッチンの水漏れを自分で修理する場合、ごく簡単な作業に限られることを認識しておく必要があります。

• パッキン交換：1,000円未満

• 流し台用ホース交換：2,000円未満

• 排水管詰まり除去：1,000円未満

このように、自分で修理する場合の費用相場は数千円内に収まることがほとんどです。できる作業は限られるものの、かかる費用は実質的に「部品代」と「工具」のみとなります。

水漏れ修理業者に依頼する場合

システムキッチンの水漏れを業者に依頼した場合、以下の費用相場が目安です。

• 水洗まわりの部品（パッキン等）交換：5,000円～10,000円

• 排水ホースや排水トラップ交換：10,000円～20,000円

• システムキッチン用混合水栓交換：15,000円～20,000円

• 浄水器の部品交換：10,000円～20,000円

• 食器洗い乾燥機の部品交換：10,000円～20,000円

• 詰まり除去：5,000円～50,000円

業者による修理は、自分で修理する場合よりも割高になります。これは「作業費」や「出張費」といった経費が含まれることが理由です。

システムキッチン特有の「浄水器」や「食器洗い乾燥機」といった付属設備で起きる水漏れは、実質的には業者にしか直せません。

システムキッチンでは、これらの設備から水漏れするケースが多く、なおかつ業者にしか修理できない複雑な構造であるため、修理費用が高くなると言われています。

システムキッチンで水漏れしやすい箇所

システムキッチンで水漏れしやすい箇所は以下の通りです。システムキッチン特有の水漏れ箇所があることを知っておきましょう。

• シンクの水栓

• 浄水器

• 食器洗い乾燥機

• 給排水管

上記について解説します。

シンクの水栓

システムキッチンで最も水漏れしやすい箇所が「シンクの水栓」です。システムキッチンの多くは「シングルレバー混合水栓」と呼ばれるタイプの水栓（蛇口）が採用されています。

シングルレバー混合水栓とは、水量や水温をハンドルひとつで操作できるもので、操作性に優れていることが特徴です。

一方、旧来の「2ハンドル混合栓（水とお湯ふたつのハンドル）」よりも内部構造が複雑であることから、水漏れした際の修理費用は高くなります。

浄水器

「浄水器」もシステムキッチンで水漏れしやすい箇所のひとつです。昨今のシステムキッチンの多くに取り付けられている浄水器は、カートリッジやタンク、そして吐水口の根元などで水漏れしやすいと言われています。

昨今のシステムキッチンでは「ビルトイン型浄水器」と呼ばれる物が多く、水漏れした際の修理が、大掛かりな作業になってしまうことに注意が必要です。

食器洗い乾燥機

システムキッチンで水漏れしやすい箇所として「食器洗い乾燥機」も挙げられます。食洗機は、大量の水を使用すること、目詰まりしやすい、そして給排水の構造が複雑であることから、いつ水漏れしてもおかしくない箇所と言えます。

また、水漏れ修理にあたり、電気工事が必要になるかもしれません。このような事情から、水漏れ修理の際には大きな費用がかかってしまうでしょう。

給排水管

システムキッチンで水漏れしやすい箇所には「給排水管」もあります。給排水管は、システムキッチンに限った設備ではないものの、システムキッチンの場合は複数設置してあることから、水漏れの確率が高い箇所と言えます。

具体的には、シンクの水栓、シンク下、浄水器、そして食器洗い乾燥機それぞれが該当します。

システムキッチンで水漏れする原因

システムキッチンで水漏れする原因についても合わせて理解しておきましょう。水漏れの原因を理解しておくことで、実際に水漏れした際の対処が円滑に進められます。

• パッキンの劣化

• 排水ホースの不具合

• 排水管の詰まり

• 接続部分の緩み

それぞれの原因について解説します。

パッキンの劣化

「パッキンの劣化」は最も典型的な水漏れの原因です。パッキンは給排水管や水栓など、部品同士の接合部に使用されており、部品同士の密着度を高める役割があります。

パッキンの製品寿命は概ね10年です。パッキンが劣化してしまうことで、割れや欠けが生じ、そこから水が漏れてしまいます。

パッキンが使われている水栓や吐水口などで水漏れが起こりやすいのは、使用頻度が高く、パッキンが痛みやすいことが理由です。

排水ホースの不具合

システムキッチンで水漏れする原因には「排水ホースの不具合」もあります。具体的には、ホースの劣化、ズレ、歪みなどが該当します。

一般的なキッチンにも排水ホースは設置してありますが、システムキッチンの場合は、シンク下のほかに、食洗機にも設置してあるため、その分、水漏れリスクは高くなるでしょう。

排水管の詰まり

「排水管の詰まり」も水漏れの原因です。シンク下や食洗機の排水管内に食材カスやゴミなどが詰まることで、排水が逆流するようにして水漏れを起こします。

システムキッチンにおいては、食洗機と繋がっている排水管で詰まりが起こりやすいと言われています。

接続部分の緩み

システムキッチンでは「接続部分の緩み」が原因で水漏れすることがあります。例えば、食洗機の給排水管や、浄水器の配管などの接続部分が挙げられます。

その多くは「ナット」を締めることで固定されていますが、設置工事やメンテナンスで緩み、結果として水漏れを招く可能性があります。

システムキッチンの水漏れ修理費用を安く抑えるコツ

システムキッチンの水漏れ修理は、症状によっては高くなってしまいます。修理費用を安く抑えるコツを知っておきましょう。

• 修理費用の相場を理解する

• 相見積もりをとる

• 地元の業者を選ぶ

それぞれのコツを解説します。

修理費用の相場を理解する

システムキッチンの水漏れ修理にかかる費用を安く抑えるコツとして「修理費用の相場を理解する」ことがあります。

例えば「シングルレバー混合水栓の交換費用」や「浄水器の部品交換」といった、典型的な水漏れ修理の費用を調べることで、相場が把握できるでしょう。

相見積もりをとる

「相見積もりをとる」ことも修理費用を安く抑えるコツです。具体的には、地元の業者を対象にして、最低でも3社から見積もりをとるようにしましょう。

水漏れ修理は、原則としてどの業者が実施しても同じ結果になります。同じ作業であっても、業者ごとに料金が変わる可能性があることから、相見積もりをとることが有効です。

地元の業者を選ぶ

修理費用を安く抑えるコツとして「地元の業者を選ぶ」ことも大切です。地元の業者であれば、出張費や交通費といった経費が安く済む可能性があります。

遠方の業者だとこれらの経費が上乗せされてしまう（基本料金に組み込まれる）ため、地元の業者に依頼することが賢明です。

水漏れ修理業者を選ぶ際のポイント

水漏れ修理業者を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしてください。

• 口コミ評判を調べる

• 水漏れ修理の実績を確認する

• 水道局指定業者に依頼する

上記のポイントについて解説します。

口コミ評判を調べる

業者を選ぶ際は「口コミ評判を調べる」ことをおすすめします。実際にサービスを利用した人たちの声を参考にし、見積もりの候補となる数社を選定しましょう。

業者の公式サイトのほか、検索サイトやSNSなどにある口コミも確認してください。いわゆるサクラや、競合他社からの誹謗中傷などが含まれている可能性もありますが、できるだけ多くの口コミを見て、どのような業者かを見極めましょう。

水漏れ修理の実績を確認する

「水漏れ修理の実績を確認する」ことも重要です。業者の公式サイトにある「施行実績」や「事例紹介」などを確認し、技術力や対応力を見極めましょう。

また、施行実績の「日付」も参考になります。直近の作業実績が多いことは、実際に修理作業していることの証明と言えるでしょう。

まとめ

システムキッチンの水漏れ修理は、業者に依頼する場合で10,000円～50,000円が相場とされています。

システムキッチンは複雑な構造や部品が特殊であることから、自分で修理できるケースは限られます。水漏れ修理業者を選ぶ際には十分慎重に対応するようにしましょう。

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